長野のささらの特色を先に申し上げましょう。一つは、獅子頭です。県内で継承されている中でも古い時代のものと見られています。竜形式の前後に長い頭でことに角が長く顔が矩形で全体に扁平な形をしています。土地の人々は竜頭獅子と呼んでいます。私は、竜頭の特殊なもので重箱獅子と言われるものに属していると見ています。

※  重箱獅子例: http://naniaso.blogspot.jp/2007_10_01_archive.html

二としてヒダの状の色紙です。後頭部に武者のような形をした五色の色紙をつけています。これは、切り下げというもので色紙をヒダ状に細かく切ったものを沢山つけているのです。獅子は威勢良く乱舞するので、時々この色紙が地面に落ちるのです。見物人はこれを我先にと競って拾うのです。とれるなら獅子に近づき抜き取ってご覧なさい。そして、大事にするのです。この色紙は神社のお札とみなされているのです。五穀豊穣、家内安全、無病息災のお守りとか、お札と考えられているのです。

家に持ち帰り、戸口に貼ったり、袋に入れて身につけた記憶があります。ふるさとを離れた人は、今年の色紙を送ってほしいと遠くから言ってくるほどでした。

三として道中下りの曲をあげましょう。農民としての祖先が、なんとすばらしいものをうみ、そして、伝えてくれた事よと驚嘆するひとつは、道中下りの曲です。曲もよい曲ですが、ことに道中下りの曲の美しいことは、自慢したいと思います。村人の手製である横笛の澄んだ音色に耳を傾けてください。祭りの日、笛方は紋付の羽織袴姿だったのです。

四として舞についてです。舞を見て頂ければ分かる通り、長時間に渡り、強弱の調和した運動美は、奉納芸にふさわしい優雅なもので人々の鑑賞にあたいするものです。様式な舞曲とあるテーマをもったものとの二種類があります。舞の中央に置くものによってその曲が決まるのですが、例えば、弓くぐり、笹かがり、花割り、どれか一曲を選んで、舞われるのです。それが様式的なものです。あるテーマをもったものには、鐘巻があります。

特色の五として鐘巻をあげます。

パントマイムとしての舞曲で埼玉県に二百数十種の獅子舞が現存する中で、ここ長野以外では、みられないと言われているのが、この鐘巻の舞です。あとで詳しくご紹介致します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。